反応工学
図のデータが無いトコもあります。


●反応工学 期末 2007/2/15 多田教官
 1.次式で表される液相2次不可逆反応がある。
    A + B = P
    -rA = k CACB
   供給原料濃度はCAO = 10mol/m3、CBO = 30mol/m3とする。また、体積供給流量はv0 = 2 × 10-3m3/sとする。
  (1) この反応を体積 3m3のCSTRで行わせたところ、Aの出口転化率は XA = 0.70となった。
    反応速度定数の値を求めよ。
  (2) PFRを用いて、この反応を本問(1)と同じ転化率になるよう行いたい。必要な反応器体積を求めよ。
  (3) 本門(1)と(2)の結果からも分かるように、n次不可逆反応(n>0)をCSTRとPFRを用いて行わせると、
    同じ原料供給濃度で同じ出口転化率ではCSTRよりPFRの方が空間時間あるいは反応器体積を小さくできる。
    この理由を反応器内濃度と反応速度の観点から説明せよ。

 2.通常、CSTRはサイクル操作しないが、リサイクル操作をするとどうなるのか検討したい。
   定容系とし、次の図と授業で行ったRecycle PFRの設計方程式を参考にして、Recycle CSTRの設計方程式を導出せよ。
   すなわち、ケイ全体の空間時間 τc=Vc/v0を原料濃度 CAO、系の出口転化率 XAf、および反応速度 -rAfで表せ。
   反応器体積を Vc、系への体積供給流量をv0、リサイクル比を Rとする。導出過程を書くこと。

      
  
 3.次の液相並列反応がある。
    A + B = P  rP = 1 × 10-4 CA0.5 CB0.5 : 望む生成物
    A + B = S  rS = 1 × 10-4 CA CB : 望まない生成物
  (1) できるだけPをたくさん得るにはCSTRとPFR、どちらを用いるべきか。理由とともに述べよ。
  (2) 本問の(1)で選んだ反応器を用いて反応を行わせる。供給原料濃度はCAO = CBO = 10mol/m3であり、
    Aの出口転化率をXAf = 0.93とする。Pの総括選択率Φ(生成物P+S中の望む生成物Pの分率)を求めよ。




★反応工学 期末 2004/2/4 多田教官
 1.次式で表される液相2次不可逆反応がある。
    A + B = P
    -rA = k CACB
   この反応を原料濃度 CAO = CBO = 10mol/m3で回分式反応器を用いて行わせたところ、反応時間 t = 500s で
   Aの転化率はXA = 0.80だった。
  (1)反応速度定数kを求めよ。
  (2)流通式攪拌槽型反応器(CSTR)を用いてこの反応を行わせたい。
   同じ原料濃度で供給し、Aの出口転化率をXA = 0.95 にするとき、必要な空間時間τCを求めよ。

 2.n次不可逆反応(n>0)をCSTRとPFRを用いて行わせると、
  同じ原料濃度で同じ出口転化率ではCSTRよりPFRのほうが反応器体積を小さくできる。
  この理由を反応器内濃度と反応速度の観点から説明せよ。

 3.CSTRを用いて、次式で表される気相2次不可逆反応を行わせる。
    A + B = P
    -rA = k CACB
    k = 1 × 10-4
   供給原料は反応物AとBおよび不活性物Iであり、
   それらの濃度はCAO = 10mol/m3, CBO = 20mol/m3, CIO = 30mol/m3である。
   供給物にPは含まれない。体積流量はv0 = 1 × 10-3m3/s、出口転化率はXAf = 0.90とする。
   (1)体積変化率εAを求めよ。
   (2)必要な反応器体積VCを求めよ。

 4.CSTRを用いて、次式で表される液相自触媒反応を行わせる。
    A + P = P + P
    -rA = k CACP
    k = 3 × 10-4
   CSTRを用い、定常操作状態で供給原料濃度をCAO = 100mol/m3, CPO = 0mol/m3(操作開始時は反応機内にPは存在する)、
   Aの最終転化率をXAf = 0.70としたい。
   (1)必要な空間時間τCを求めよ。
   (2)PFRを用いてこの反応を行わせるとき、どのような工夫が必要か。理由とともに述べよ。

 5.次の液相並列反応がある。
    A + B = P  -rP = kPCACB : 望む生成物
    A + B = S  -rS = kSCACB : 望まない生成物
   反応速度定数kPとkSに対する活性化エネルギーはそれぞれ、
   EP= 1 × 105J/mol, ES= 1 × 104J/molである。
   Pの選択率を出来るだけ大きくしたい。
   (1)操作温度は高温か低温か、どちらがよいか。理由とともに述べよ。
   (2)CSTRとPFR、どちらを用いるべきか。理由とともに述べよ。




★反応工学 2003/2/5 多田教官 期末
  参考 τc=Vc/v0=Vc*CA0/FA0=CA0*XAf/(-rAf)
     τp=Vp/v0=Vp*CA0/FA0=CA00XAfdXA)/(-rA)
     ∫0Xf(dx/(m±x))=±ln(m±x)
     ∫0Xf(dx/(1-x)2)=1/(1-x)
     1/{(1-x)(m±x)}=1/(m±1){1/(1-x)±1/(m±x)}
     (1+εx)/(1-x)=(1+εx)/(1-x)-ε

 1.次式で表される気相1次不可逆反応がある。
    A -> 2P   -rA=kCA
   (1)この反応を行わせるのに必要な体積が小さいのはCSTRとPFRのいずれか。
     理由を付して答えよ。ただし、原料供給量と変化率は同じとする。
   (2)(1)で答えた反応器を用いて、原料供給量v0=0.10[m3/s]、供給物濃度CA0=10[mol/m3](供給物中にPは含まれない)、
     Aの出口転化率XAf=0.9で反応を行わせる。必要な反応器体積を求めよ。ただし、k=5*10-2[s-1]

 2.次式で表される液相1次不可逆反応がある。
    A -> P   -rA=kCA
   この反応を2槽直列CSTRで行いたい。
   (1)反応器への体積供給流量をv0、第1槽への供給原料濃度をCA0とし、第1槽出口のAの転化率をXA1
     第2槽出口の転化率をXA2とする。
     両槽とも体積はVcとする。第2槽に対するAの物質収支式を示して、第2槽の設計方程式を導出せよ。
   (2)Vc=2[m3]、v0=0.01[m3/s]、CA0=100[mol/m3]とするとき、XA1=0.6であった。XA2を求めよ。

 3.次式で表される液相自触媒反応を行わせたい。
    A + P -> P + P
    -rA=kCACP k=1*10-3[m3/(mol*s)]
   供給原料濃度をCA0=100[mol/m3]、CP0=2[mol/m3]、Aの出口転化率をXAf=0.5としたい。
   空間時間を小さくできるのはCSTRとPFRのいずれか。反応速度の逆数{-1/rA} vs 転化率XAの図を用いて説明せよ。
   また、その反応器の空間時間を求めよ。

 4.次の液相逐次1次反応を行わせたい。
     k1  k2
    A -> P -> S
    -rA=k1*CA rP=k1*CA-k2*CP rs=k2*CP
   原料供給濃度をCA0とし、反応器出口濃度をCAf,CPfおよびCSfとする。反応器体積をVc、体積供給流量をv0
   空間時間をτCとする。
   (1)反応物Aの物質収支式を示し、CAfをCA0、k1およびτCで表せ。
   (2)中間生成物Pの物質収支式を示し、CPfをCA0、k1、k2およびτCで表せ。




★反応工学 2002/2/6 多田教官 期末
  参考 τc=Vc/v0=Vc*CA0/FA0=CA0*XAf/(-rAf)
     τp=Vp/v0=Vp*CA0/FA0=CA0∫0XAfdXA)/(-rA

  1.次式で表される気相2次不可逆反応がある。
     A + B -> P , -rA=kCACB, k=10-3[m3/mol*s]
    この反応をCSTRを用いて行いたい。供給物中の濃度をCA0=10[mol/m3],CB0=20[mol/m3]とし、
    体積供給流量をv0=0.01[m3/s]とする。Aの出口転化率をXAf=0.9としたい。必要な反応器体積Vcを求めよ。

  2.2段CSTRの第1段と第2段それぞれについての設計方程式を、図Cを参考にし、原料Aの物質収支を示して導出せよ。

  3.次式で表される液相自触媒反応を行わせたい。
     A + P → P + P
     -rA = kCAC(P), k=10-4[m3/mol*s]
    CSTRを用い定常操作状態で供給原料濃度をCA0=100[mol/m3],CP0=0[mol/m3](操作開始時は反応器内にPは存在する)、
    Aの最終転化率をXAf=0.6としたい。反応器の空間時間を求めよ。
    また、この反応に対してPFRを用いるとどのようになるか。理由とともに述べよ。  

  4.次の液相並列反応がある。これらの量論式と反応速度式は次のように表される。
     A + B → P 望む生成物   rP=kp*CACB [mol/m3*s]
     A → S   望まない生成物 rS=ks*CA [mol/m3*s]
    反応速度定数は次式で表される。
     kp=kp0exp{-Ep/(R*T)} ks=ks0exp{-Es/(R*T)}
     kp0=3*103[m3/mol*s] ks0=2*1063[s-1]
     Ep=1*105[J/mol] Es=5*104[J/mol]
    (1)生成物中のPの割合(P/P+S)を大きくするためには高温か低温かいずれが望ましいか。理由と共に答えよ。
    (2)生成物中のPの割合(P/P+S)を大きくするためにはCSTRかPFRかいずれが望ましいか。理由と共に答えよ。




★反応工学 2001/2/7 多田教官 期末
 1.次式で表される1次不可逆反応がある。
    A → 3P
    -rA = kCA, k=10-2 [s-1]
   供給物は原料Aと不活性物Iであり、供給物中の濃度をCA0=10 [mol/m3], CI0=10 [mol/m3]とする。
   (1)この反応が液相反応であるとする。CSTRを用いてこの反応を行わせる。
    Aの出口転化率をXAf=0.9,体積供給流量をv0=0.01[m3/s]としたい。必要な反応器体積Vcを求めよ。
   (2)この反応が気相反応であるとする。(1)と同じAの出口転化率、体積供給流量でCSTRを用いて反応させるとき、
    必要な反応器体積Vcを求めよ。
 
 2.次式で表される液相2次不可逆反応がある。
    A + B → P , -rA = kCACB
   この反応をCSTRあるいはPFRを用いて行いたい。両反応器で供給物流量と出口転化率を同じにしたとき、
   どちらの反応器のほうが空間時間を短くできるか。理由と共に答えよ。

 3.次式で表される液相自触媒反応を行わせたい。
    A + P → P + P
    -rA = kCAC(P), k=10-4[m3/mol*s]
   定常操作状態で供給原料濃度をCA0=100[mol/m3],CP0=0[mol/m3](操作開始時は反応器内にPは存在する)、
   Aの最終転化率をXAf=0.9としたい。1段PFR、1段CSTRおよび2段直列CSTRのいずれかを用いたいと思う。
   最も空間時間を小さくできる反応器は、この3つのうちのどれか。理由と共に答えよ。また、その反応器の空間時間を求めよ。

 4.次の液相並列反応がある。これらの量論式と反応速度式は次のように表される。
    A + B → P 望む生成物   rP=1.0*CA0.5*CB0.5[mol/m3*s]
    A + B → S 望まない生成物 rS=1.0*CACB [mol/m3*s]
   この反応をCSTRあるいはPFRを用いて行わせる。供給原料濃度はCA0=CB0とし、
   2つの反応器で供給原料濃度と転化率を同じとしたとき、Pの総括選択率Φ(P/P+S)が大きくなるのはどちらの反応器か。
   理由とともに答えよ。




★反応工学  2000/2/16 多田教官 期末
 参考 ln 2 = 0.693, ln 3 = 1.10, ln 10 = 2.30, ln 11 = 2.40

 1.(1)限定反応物質につて説明せよ。
   (2)不可逆反応 A + 2B -> P + 2R を原料濃度CA0=3[kmol/m3],CB0=1[kmol/m3],CP0=1[kmol/m3],CR0=0.1[kmol/m3]
     で行うとき、限定反応物質はA、B、P、Rのどれか。理由をつけて答えよ。

 2.次式で表される気相2次不可逆反応がある。
    A + B -> 3P
    -rA=kCACB, k=10-2 [m3/mol*s]
   供給原料はAとBのみとし、原料濃度をCA0=10[mol/m3], CB0=20[ml/m3]とする。
   (1)体積変化率εAを求めよ。
   (2)反応物Aの反応速度-rAをk,CA0,m,XAAを用いて表せ。
   (3)CSTRを用いてこの反応を行わせる。Aの出口転化率をXA1=0.9,供給体積流量をv0=0.01[m3/s]としたい。
    必要な反応器体積Vcを求めよ。

 3.次式で表される液相自触媒反応をリサイクルPFRを用いて行う。
    A + P -> P + P
    -rA=kCACP, k=10-4 [m3/mol*s]
   (1)反応器の直前・直後での設計方程式(下図の点線内での設計方程式)を反応器体積VR、反応器への体積流量v1
     系への原料濃度CA0、反応器前後での転化率XA1、XA2、および反応速度-rAを用いて表せ。
   (2)反応器への体積流量v1を系への流量v0とリサイクル比Rを用いて表せ。
   (3)下図中の点Kでの反応物Aの物質収支より、反応器前での転化率XA1を反応器後の転化率XA2とリサイクル比Rを用いて表せ。
   (4)(1)で求めた式に(2)と(3)でもとめた式を代入して、リサイクルPFRの設計方程式を完成させよ。
   (5)定常操作状態で供給原料濃度をCA0=100[mol/m3],CP0=0[mol/m3]、供給流量をv0=10-2[m3/s]とし、リサイクル比をR=1、
     Aの出口転化率をXA2=0.8としたい。必要な反応器体積VRを求めよ。
   (6)この系をリサイクルなしPFRに置き換えて反応させようとするとどうなるか。

      図B

 4.次の液相並列反応がある。これらの量論式と反応速度式は次のように表される。
    A + B → R 望む生成物   rR=1.0*CA0.5*CB0.5 [mol/m3*s]
    A + B → S 望まない生成物 rS=1.0*CA*CB [mol/m3*s]
   CSTRを用いてAの出口転化率をXAf=0.99とし、A,Bの供給原料濃度をCA0=CB0=1[mol/m3]とする。
   Rの総括選択率Φ(R/R+S)を求めよ。