構造分子化学
●構造分子化学(B) 2006.07.10 前期 Ⅱ部 吉野教官
原子質量単位u=1.66054×10-27kg、光の速度c=2.99792×108ms-1、プランク定数h=6.62608×10-34Js、
h'=1.05457×10-34Js、ボーア磁子μB=9.27402×10-24JT-1、核磁子μN=5.05079×10-27JT-1、
気体定数R=8.3145JK-1mol-1、ボルツマン定数k=1.38066×10-23JK-1、円周率π=3.14159を必ず用いて計算せよ。
なお、原子量は問題ごとに指定した。有効数字を正しく用い、どの定数を用いたかが分かるように式を書くこと。
1.2H79Br分子の換算質量μ[kg]を計算せよ。また、平衡結合長Rが141[pm]である時の慣性モーメントI[kg m2]
を式I=μR2を使って計算せよ。さらに、式B=h'/4πcIと式E=h(k/μ)1/2を使って、この化合物の
純回転ラマンスペクトルにおける回転定数B[cm-1]と、力の定数kを411.5[Nm-1]としたときの調和振動子の
最小励起エネルギー⊿E[J]を求めよ。ただし、単位を必ず明記し、2Hと79Brの原子量はそれぞれ2.0140と
78.9183を使用せよ。
2.①NMRスペクトル、②赤外スペクトル、③マイクロ波スペクトルの性質について空白を埋めよ。
①NMRが観測されない原子核は原子番号が偶数でかつ、「 」が偶数である。
②赤外スペクトルが観測されるには分子の「 」を伴わねばならない。
③マイクロ波スペクトルが観測される分子は「 」を持たなければならない。
3.次に示す1HNMRスペクトルにおける図に示した重要な情報(a~c)について説明せよ。重要の起源と
それからわかる科学的な知識について書くこと。
「重要な情報の名称」 「情報の起源」 「スペクトルから分かること」
a)
b)
c)
4.ある人の合成したアミノベンズアルデヒドはオルトまたはメタのどちらかの異性体が考えられた。
下記の定数を用いて13CNMR信号が観測されうる全ての位置の13CNMR化学シフトを予想せよ(計算式を明記)。
ただし、基準となるベンゼンの13C化学シフトは128.5±0.1ppmである。解答の有効数字は小数点下1桁とせよ。
また、生成物の吸収線の一部は120ppm付近に2本と138ppm付近に現れた。生成物がどちらであるかを決定せよ。
置換基 ipso位 ortho位 meta位 para位
CHO 13C +8.6 +1.3 +0.6 +5.5
NH2 13C +18.0 -13.3 +0.9 -9.8
★構造分子化学(2回目) 2002 前期Ⅰ 部 吉野教官
定数は原子質量単位、光速、プランク定数、核磁子、気体定数、円周率等が与えられているがここでは細かい数値は省略。
1.1,3-ジシアノベンゼンは点群C2vに属している。この化合物は①純回転スペクトルを示すか。
また②光学活性はあるか。それぞれ簡単な理由を付けて答えよ。
さらに、シアノベンゼンの永久双極子モーメント(気体)が4.39Dのとき、
③1,3-ジシアノベンゼンの永久双極子モーメントを近似的に計算せよ。(有効数字小数点以下2桁)
2.15N18O分子の換算質量μ[kg]を計算せよ。また、平衡結合長Rが115pmである時の慣性モーメントI[kgm2]を
式I=μR2を使って計算せよ。さらに、この化合物の純回転スペクトルにおける回転定数B[cm-1]を求めよ。
ただし、単位を必ず明記し、15Nと18Oの原子量はそれぞれ15.000と17.999を使用せよ。
3.エチルアルコールの1HNMRスペクトルをできる限り正確に図示し、積分強度、化学シフト、分裂パターンについて
説明せよ。
4.ヨードフェノールの3つの異性体について全ての位置の13C化学シフトを推算せよ。
この計算には下記のデータを用い、基準となるベンゼンの13C化学シフトは128.5±0.1ppmとせよ。
有効数字は小数点以下1桁とせよ。また、実測の結果より、異性体Aは1/3の強度の吸収線が約98と158ppmに現れた。
一方、異性体Bは吸収線が4本のみ観測された。異性体Aと異性体Bはそれぞれどんな構造を持つかを決定せよ。
置換基 ipso ortho meta para
OH +26.9 -12.7 +1.4 -7.3
I -32.1 +10.1 +2.8 -0.2